ジャパン・ソサエティー カッツアバブ賞 女優 樹木希林さんに
最新の日本映画を上映する第12回「ジャパンカッツ」が29日、主催したジャパン・ソサエティーで閉幕した。今年は10日間にわたり28本の長編と9本の短編を上映、監督や俳優など約20人が登壇して、日本映画ファンを喜ばせた。
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映画人の功績を讃えるカッツアバブ賞は、女優の樹木希林さん(75)に贈られ、樹木さんは出演映画が上映された26日と27日の夜、舞台に上がり会場から大きな拍手で迎えられた。
樹木さんは26日午後の記者合同インタビューで、受賞に関しては「後期高齢者で今は選ぶ立場なので、えっーという感じでした」と言い、「演技をやるために生きているのではなくて、人間をやるために生きている」として、賞や役柄などに執着しない姿を垣間見せた。また、「人間を作っている、見ようとしている監督は私にとっては『師』」と言い、新作「モリのいる場所」の沖田修一監督もその一人と評価した。
最終日の29日は、大林宣彦監督の「花筐(はながたみ)」が上映された。主役を演じた窪塚俊介が登壇して、「大林作品に10年間に5本出演して正に監督に育てられた」と言い、大林監督のユニークな制作現場について語り、「監督は東日本大震災の後、戦争体験を伝えなければという考えに大きく変わった」として、本作にかけた監督の思いを説明した。(小味かおる)
(週刊NY生活 www.nyseikatsu.com)
写真 受賞の喜びを語る樹木希林さん Photo Japan Society ©Mike Nogami