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 No.208 2008年 5月10日
実写版「スピード・レーサー」スタート
  Entertainment
 「マッハGoGoGo」の実写版映画「スピード・レーサー」(ワーナーブラザース)が5月9日、全米で封切られた。監督は「マトリックス」シリーズを手掛けたアンディ&ラリー・ウォッシャウスキー兄弟。この作品は、1967年から68年にかけ日本でテレビ放送されたカーレースを題材にしたアニメが原作で、オリジナルの作者は吉田竜夫とタツノコプロ。米国では「スピード・レーサー」のタイトルでアニメ放送された。同映画には、謎の悪役を演じる真田広之、ハリウッドデビューとなった韓国のR&B歌手Rain(ピ)が出演している。
 怖いもの知らずのスピード・レーサー(エミール・ハーシュ)にとって唯一のライバルは、レース中に命を落とした伝説のレーサー、兄のレックス。兄の遺志を継ぐため、スピードはローヤルトン工業からの高額なオファーも断り、父(ジョン・グッドマン)が率いるレーシング・ビジネスを選ぶ。結果スピードは、ローヤルトンから脅される羽目に。愛する家族とカー・レーシングを救う手段はただ1つ、レースでローヤルトンを打ち負かすことだった。
 5日夕、ニューヨークのジャパン・ソサエティーで最新の音響設備のお披露目も兼ね、会員と招待客を対象としたプレミア試写会が行なわれた。
 切り立った断崖絶壁から悪役レーサーが車ごと転落していくシーンは40年前のアニメと全く同じ。CGを駆使した実写がド迫力だ。試写会に来場した前衛アーチストの篠原有司男さんは「オレも昔、アニメで見たの覚えてるよ」とごきげんだった。日本では7月に公開が予定されている。

全米で封切られた「スピードレーサー」© 2008 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

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 No.208 2008年 5月10日
  Information
 外務省幹部や防衛省、警察庁の職員を装って、官邸や各省庁などから発信されたと見せ掛けた悪質な「詐称メール」が配信される事例が多発している。在ニューヨーク日本総領事館はホームぺージで警戒するよう注意を呼びかけた。この悪質メールにはファイルが添付されており、開くとパソコンがウィルスに感染する可能性が高い。発送元が外務省のドメイン「@mofa.go.jp」であっても、内容に心当たりのない場合は、添付ファイルは決して開かずに速やかにメールごと削除することと警告している。
 また情報処理推進機構(IPA)で現在確認されている「なりすましメール」の特徴は次の通り。メールアドレス:vuln-inq@ipa.co.jp、 タイトル(件名): セキュリティ調査報告、添付ファイル名:調査報告書.pdf。このPDFファイルにも、ウイルスが仕掛けられている。外務省では、第三者中継(発信元を隠すために、関係のない第三者のサーバを中継して発信)されないメールサーバの設定や、ウィルス感染メールを発信しないようウィルス対策をするなどセキュリティに十分配慮し、引き続き対策を強化していく方針。
 ニューヨーク日本総領事館には5日までに日系金融機関、航空会社、ジェトロなどから計数件、同じようなメールを受け取ったという報告、問い合わせがあった。
 メールのタイトルは「予算について」「展望の見えない日中関係」、「VIPの当地訪問について」などで「VIPのスケジュールは添付資料参照」としてファイルを開かせようとする巧妙な手口。添付ファイルの拡張子もエクセルやワード、PDFと同じものが使われているため、見分けがつかない。当初総領事館内でのメールのやりとりで確認したが、民間でも確認が相次いだ。同総領事館では、通常であれば、在留邦人向け専用メールで警告するところだが、それ自体が「なりすましメール」と思われかねないだけに隔靴掻痒(かっかそうよう)の思いで、今のところ、ホームページで、慎重な対応を呼びかけるに止まっている。
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 No.208 2008年 5月10日
大人になっても『冒険王 ・横尾忠則』
  Art
 東京の世田谷美術館で『冒険王・横尾忠則』という全館使用した大きい個展が目下、開催中である。「冒険王」とは随分子供っぽいタイトルだ。ではなぜこんな少年冒険漫画誌みたいなタイトルになったかというと、ぼくは十代の頃南洋一郎を初め冒険小説や冒険映画が大好きだった。それが大人になっても尾を引いていて、あの十代の懐かしい時代から自立していない部分があって、この時代を吐き出すように描く事で乗り越えられないかと思って今も冒険をモチーフにした絵を描き続けているのである。
 「冒険王なんて子供っぽい」と言う人もいるけれど、例えば澁澤龍彦さんも子供の頃南洋一郎や山中峯太郎の冒険小説に熱中したことがその後の仕事の基盤になっていたとおっしゃっている。また三島由紀夫さんも本屋の片隅に並んでいる少年物の冒険小説を作家になってからもしばしば立ち読みしたと。そしてできれば南洋一郎のような密林冒険小説を書きたかったと述懐しておられる。またこうした想いこそ芸術の中核に位置するインファンデリズムが創造に於ける重要な思想であるとも。
 ぼくの十代の読書体験は実に貧困で数冊の冒険小説だけで、童話とか文学は素通りしてしまっている。それだけに冒険小説がぼくに与えたインパクトは大きく、潜在の創作の霊感の源泉になってしまっている。澁澤さんではないが、現在ぼくの関心事や研究対象にもし冒険小説体験がなかったら果たしてどのような結果になっていただろうか。冒険は身を挺して危険を冒す行為であるが、創造の根源と深く結びついているのではないだろうか。
 今回の「冒険王」のタイトルの所以にもうひとつある。それは学芸員の意見なのだが、ぼくの作品の主題や様式がコロコロ変化する、または多様な表現がなされるところから、この行為こそが冒険だというのだ。ぼく自身は別にこのことを冒険ともなんとも思っていないのだが、ひとりの人間の描く作品としては過剰なスタイルで、それこそ冒険ではないかというのである。ぼくは自分の中に複数の「私」がいて、どう考えてもひとつの固定したアイデンティティが持てないので、その場その場の欲求に従った結果が複数のスタイルを形成してしまうのではないかと思っている。
 またぼくは昔から同じことをいつまでも繰り返して継続するだけの忍耐力に欠落している。こういうところは子供っぽくて興味の対象が次から次にコロコロ変わるのである。このことは「私」という固定された存在から逃れたいということとも繋がっているように思う。「私」はこうあらねばならないという私から脱却して解放された存在でありたいというか自我以前の存在というか。まあ自分に縛られたくない自我が解消した自分というか。そんな子供っぽさでいたいのである。
(美術家、東京都在住)www.tadanoriyokoo.com
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 No.208 2008年 5月10日
「散髪の呪い」山崎卓也 (55)
  週刊NY生活教育なんでも相談室
 まな板の上のコイとは正に彼の事だった。
「心配するな。お父さんを信じろ」
 まあ、失敗してもリオの頭なので、こっちは痛くもかゆくもない。
 手中のバリカンのスイッチを入れると、ブィ〜ンという音と共に振動が手に伝わって来た。えいっと気合を入れて、うなじにバリカンをあてた。
 ここ二週間程リオが散髪に行きたいと言っていたが、なかなか都合が合わずに先延ばしにしていた。近所の店で偶然バリカンセットを見つけ、即購入。お値段は三十ドル。リオの散髪代は十五ドル。二回で元が取れるぞ。
 バリカンはジョリジョリという不気味な音を立て、刃の間からドバーッと大量の毛を吐き出した。うわ〜っ!一旦止めて現状分析。あれまぁ長さがバラバラだ。力を均等に加えなかったので真ん中だけえぐられたように刈られている。しかし、もう後戻りはできない。
 父の逡巡を察してか、リオが聞いた。
「どう、お父さん?」
「お〜、順調、順調。うまいこと切れるわ、これ」とごまかした。
 リオの無残な後頭部を見ていたら中学三年の時の事を思い出した。私は母と姉に左右両側から同時に散髪をされて、一方は耳の上、もう一方は耳の下で切られて、ギャーギャー泣いた。耳を出したくなかったので、翌日そのままで学校に行った。クラスメートの嘲笑の的となったのは言うまでもない。更に悪い事に、その日は高校に提出する願書用の写真撮影があり、私は「片耳出しカット」で撮影に臨む事を余儀なくされた。
 いかなる因果か。息子も私と同じ運命を辿ろうとしている。
 後頭部を何度もバリカンで撫ぜると何となく形がついてきた。次は前髪。彼はひさしを作りたいと言ったが、長さをコントロールする事ができず、バリカンはブルドーザーのごとく髪の毛を蹴散らしていった。しかし、結果的には、「下手な床屋でひどい目に合った」と言える位の出来栄えだ。
「うん、これ良い」と、リオも満足した。
 山崎家の散髪の呪いは遂に解けた。 
(このコラムは隔週で掲載しています)
http://ameblo.jp/takayayamazaki/
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 No.208 2008年 5月10日
  Event
●囲碁大会
5/10(土)10:00-/ニューヨーク碁センター (323 E. 52nd St)初心者から高段者まで多くの愛棋家の参加を求む。参加費:15ドル(当日徴収)詳細&申し込みはTel: 212-223-0342(兵藤) 

●おはなし会
5/11(日) 11:15-12:00/紀伊國屋ニューヨーク本店 (1071 Ave of the americas) すばなし、読み聞かせ、紙芝居、絵ばなし、うた 。参加費: 無料、事前申し込み不要。詳細は Tel: 914-921-2271(西野)

●貴女だけの綺麗色が必ず見つかるパーソナルカラー診断
5/14(水)、19(月)、22(木)、26(月)、28(水)11:00、14:00/Elite Image (166 W. 75th St) 洋服からヘア・メイクまでトータルにアドバイス。講師: 安積陽子 受講料: 120ドル 詳細&申し込みはTel: 917-945-6543、info@e-image.org(安積)

●直観をみがく、サイキック能力を引き出すワークショップ(入門編)5/15、22、29(木)18:30-21:00/2109 Broadway, Suite 1106 (bet 73rd & 74th St) 講師: 宇奈美博子 受講料: $69/1回、$129/2回、$169/3回 詳細はwww.saimin.j-treasure.com申し込みはsaimin@j-treasure.com(宇奈美)

●ココロ・クワイヤメンバー募集のオープンハウス
5/17(土)12:30-15:30、6/14(土)10:30-13:00/Convent Avenue Baptist Church (at 145th St) 9/27ニュージャージー州オーシャン・グローブで開催されるゴスペル・フェスティバルへの出演が決定。そのステージに向けて新規メンバーを募集するオープンハウスを実施。未経験者の参加も大歓迎。詳細&申し込みはcocologospel@yahoo.co.jp 

●春季PLバザー
5/18(日)10:00-16:00/Church of Perfect Liberty (37-56 76th St, Jackson Heights) 全商品$1.00均一で衣料品、電化製品、玩具などの掘り出し物を豊富に用意。詳細はwww.pl-usa.org、Tel: 718-458-7612 (滝田、山下、市川)

●会計士ネットワークの会
5/19(月)18:30/Ernst & Young LLP (5 Times Sq, at 7th Ave, bet 41st St & 42nd St)NYエリアの会計士、または会計士を目指す人たちの交流を深めるネットワークの会を開催。軽食ドリンク付き。参加費: 無料。希望者は5/15までにprjbs@ey.comまでフルネーム(英語)で申し込む 

●日本女子大同窓会「桜楓会・若葉会」NY支部春の総会
5/21(水)/Brooklyn 散策と昼食会を行う。詳細&申し込みはTel: 203−637−1304(安藤)

●NY補習授業校A校父母会主催ファンドレイジングの「FUN!バザール」5/24(土)9:00-15:00/Port Chester Middle School (Bowman Ave、Rye Ridge Shopping Centerすぐそば) ラッフル(Cash Prize、ヤンキースチケット等)、古本市など
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 No.208 2008年 5月10日
猫エイズに感染したら
  ペッと大好き!
 猫免疫不全ウイルス感染症(通称:猫エイズ)は一度かかると治る事はなく、猫から猫へと感染する。感染経路はほとんどが外猫同士の引っかきあいや噛みあいが原因だが、まれに親猫からうつる子猫もいる。ワシントン州シルバーレイク動物病院の田中晶美獣医師によると、HIVの感染だけでは死に至らない。しかし、HIVの原因となるレンチウイルスにより免疫低下を起こすと抵抗力がなくなり、どんな病気に感染しても命取りになるという。他の病気に感染しないように気を付ける方法としては、寄生虫に侵されないように生肉は与えない。ノミやダニがつかないように絶えず洗ってやる。口内炎を防ぐため歯の治療は小まめに行う。そして、獣医での健康診断も半年に一度は行い病気を未然に防ぐのが大切。リサーチでは猫エイズウィルスに侵されても健康状態を保てば5年は生き延びるとあるが田中医師も16歳位のエイズ猫を何回も治療していると語る。新しく猫を飼い始める場合は最初に必ずエイズ検査をしよう。もしエイズが確認されたらまずは他の猫にうつさないよう室内で飼うなどの努力をするのが飼い主の義務である。(千)
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 No.208 2008年 5月10日
元米兵が返還を希望
  Information
 太平洋戦争中、戦場から持ち帰った旧日本兵の遺留品を日本の遺族、ゆかりの人に返したいと名乗りでている元米兵がいる。この人は、ニュージャージー州リバーエッジに住むルイス・デパウロさん(82)。デパウロさんは1944年高校卒業と共に志願して米海兵隊に入隊、45年2月の硫黄島上陸作戦に参加。米兵6万人が投入され、死者6600人を含む2万2000人の死傷者を出し、日本軍は2万3000人中、生き残ったのは200人という激戦だった。終戦後中国青島で戦後処理にあたる中で、旧日本兵の遺留品保管所で持ち帰りを許可された、コートやヘルメット、雑誌、新聞に紛れて1通の手紙があった。軍事郵便「心の糧・感謝の便箋」で、宛先は、神奈川県横須賀海軍航空隊3分隊の岡崎勇さん。差出人は福島県西白河郡矢吹町東屯田地59番地吉川一治様方、細谷たか子さん。消印は昭和18年12月1日。文面から同級生だった細谷さんが岡崎さんのことを級友の高久義人さんらと共に思い出を語る内容で、幼少時に雪ウサギを作る時に使った南天の赤い実を同封するなどと書かれ無事を祈る手紙だ。
 デパウロさんは、戦後故郷に戻り、プリンストン大学を卒業して家業の地図印刷会社を経営、現在は顧問。昨年、映画「硫黄島からの手紙」を見て60年以上もしまい続けてきた手紙の存在を思い出し、ニューヨークのロータリークラブで知己の日本人ビジネスマン、森田繁実さん(75)に手紙の存在を伝え、公にすることを決めたという。「この差出人の女性がまだ生きているなら、手紙をお返ししたい」と話す。心当たりの人は本紙編集部まで。電話212・213・6069。Eメールで問い合わせはinfo@nyseikatsu..com
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 No.208 2008年 5月10日
 
日系人と日本人の交流を促進
  かお
JAJA発起人 映画監督 スタン・ナカゾノさん

 映画監督・プロデユーサーのスタン・ナカゾノさん(47)の呼びかけで2004年、日系米人と在米の日本人との交流団体JAJA(ジャパニーズ・アメリカン、ジャパニーズ・イン・アメリカ)が組織された。日系人の世代が4世から5世へと世代交代していくなかで、アメリカの中における「ニッポン」のイメージは、かつてとは違った位置付けで若き日系人たちの目に映っている。
 アジアを代表する戦後の経済成長国として注目を集めた70年代80年代の日本は、いま、音楽や映像、アニメなどのサブカルチャー発信の震源地として欧州や米国の若者たちから熱い視線を受ける時代になった。
 ナカゾノさんは、1960年ロサンゼルス生まれ。1997年ユタ州パークシティーで開催されたサンダンス映画祭で「ハング・ユア・ドッグ・イン・ザ・ウインド」で脚光を浴びた新進気鋭の映像作家だ。
日本から来る駐在員とその家族、新一世とも呼ばれる永住者たち日本人、そしてアメリカで代々生まれ、日本人としてのルーツを持ちながらもアメリカ人として育ち、生きている日系米国人、顔はみな同じ日本人だが、普段の生活の中で接点があまりないためになにかと疎遠になりがちだ。
 企業を中心としたもの、日系米人を中心としたもの、それぞれの日系団体が全米各都市に存在する。若手の日系米国人たちから声が上がった。日系と日本人の垣根を外した交流団体を作ろう、と。発足3年目を迎える現在は、120人の会員が月に1度集まってティーパーティーなどを行ない、人脈を広げている。先頃は、ニューヨーク総領事の桜井本篤大使がホスト役になり、公邸を開放して交流会も開かれた。
 ナカゾノさんは、3月には、米国の将来のリーダーとなる若手日系米国人の1人として外務省が招致する訪日使節団に選ばれ、福田総理大臣を訪問=写真上=するなど現代の日本も見てきた。「ボクら海外の日系人を招いて米国での親日派を増やすことももちろん日本にとって大切だが、日本の政府がいまやるべきことは、格差社会の犠牲になっている日本国内の日本人の若者を国際社会で通用するような人材に育て、教育し、海外体験をさせるための国としてのプログラムを作ること。どうして日本は、日本の将来のリーダーになる若者を育成しないのか不思議に思った」。おそらくその試みはあるのだろうが、なかなか外部からは見えない部分でもある。日本という共通分母を持つ者として、アメリカにいる日本人に日本への熱い思いを伝えていきたいと目を輝かせた。   (三浦良一記者)
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 No.208 2008年 5月10日
 BOOKS
『子どもがのびのび育つ理由』 兵藤 ゆきさん
  Books
 本紙で「兵藤ゆきのおじゃましまーッす」を好評連載中のタレント、兵藤ゆきさんがこのほど『子どもがのびのび育つ理由』(マガジンハウス)を出版した。ニューヨーク暮し11年を経て昨年帰国、当地で見聞きし、また自ら子育てのど真ん中をここNYで過しながら体験した「アメリカの子供と親の関係」を具体的に紹介している。
 兵藤さんは1996年11月、社会学博士課程で学ぶ夫の大学留学に伴い生後7か月の長男を連れてニューヨークに転居した。日本では小さな子供がお使いをできたり、1人で留守番ができたりすると「偉い」と誉められることが多いが、米国では、小学生の子供だけで留守番をさせたり、遊ばせたりすると親の監督不行届きとみなされ、放置、虐待とも受けとられかねない。
 学校の送り迎えからプレイデートのセットアップ、お誕生日会までなにからなにまで親がかりの、日本的感覚からするとちょっと過保護とも思えるほどの「子供べったり」のアメリカの親たちの生活の現実をリポートしている。
 子供は社会全体の財産であると同時に、家族の中心であり、子供のためなら親も転職をいとわない「家族主義」が極めて強く存在しているこの国の状況や、低所得者でもない限り、年間7000ドルはくだらない私立保育園に子供を通わさせなくてはならないニューヨーク都市圏の親たちの奮闘ぶりも伝える。
 小さい時から人前で話す訓練を徹底的にほどこされる子供たち。読み書きよりも聞く話すが先というコミュニケーション優先の教育のなかで、子供たちは相手との距離や対人関係を学んでゆく。それは「民主主義の本場アメリカでは、口が達者だったり、自分から進んで物事をしたり、人と違ったことをしたり、はっきり物をいう人は賞賛され、口下手だったり、寡黙だったり、きちんと議論ができなかったりすると社会から弾き出されてしまう」現実があるからだ。自分で考えるという方法を分かりやすく提示しているだけでなく子供に愛を惜しみなく表現するアメリカの教育を等身大の言葉で伝える。
 この本は、翻って、日本人が国際社会で活躍するために欠落している部分を幼少期から自然に身に付けさせられる当地在住の日本人子弟たちが、人生の軸足を日本に置くのかアメリカに置くのかの選択を将来迫られた時に取捨選択、比較するべき要素が具体的そして豊富に示されている。ニューヨークで子育て中の親にとって大変有益な示唆に富んだ本だ。一読をお薦めする。(三)
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 No.208 2008年 5月10日
9日と11日、名門の2クラブで
  Event
 琴と尺八という伝統和楽器でJPOP人気上昇中のグループZANが5月9日SOBSレーベルからミニアルバム「SHIKU(紫空)」をリリースした。それを記念し、5月9日(金)午後7時からニッティング・ファクトリー(レオナルド通り74番地、入場料10ドル)と11日(日)SOBS(ヴァリック通り200番地、電話212・243・4940)午後8時から公演する。
 公演にさきがけ2人は、5月3日ブルックリン植物園で行われた桜祭に昨年に続き2度目の出演、5日にはニューヨーク日本人学校を訪問し、伝統音楽を現代の感覚で演奏する世界を日本人の生徒たちに披露した。
 琴の市川慎は秋田県出身の32歳。尺八の小湊昭尚は福島出身の29歳。共に実家が琴と民謡の家元で小湊は11歳から尺八を始め、東京芸大に進んだ。市川は、高校卒業後上京し、沢井琴曲院に弟子入り。NY公演は4度目。和楽器を知らないアメリカ人の反応はその音に触れ「結構カッコイイじゃないか!」と乗ってくれるのが嬉しいのだという。6月1日のジャパンデー開催を知って「いやあ、出たかったなこれ」。9日と11日の夜は「ぜひ聞きに来てください。聞かせますよ」と力が入っている。ニッティング・ファクトリーウェブサイトwww.knittingfactory.comまで。SOBSのウェブサイトはwww.sobs.com
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 No.208 2008年 5月10日
渋谷という時代の流れ
  Culture
 新緑の季節になりました。ニューヨークのリバーサイドドライブで暮らしていた頃の、リバーサイドパークの新緑を思い出します。ニューヨークは冬が厳しいので、よけいに新緑が目にしみました。懐かしいですね。
 先日取材で渋谷を歩いたんですが、変りましたね。小ギャルというか、若い女の子(女の子ばかりではありませんが)が、まるで草群から湧いてくるように歩いていました。
 渋谷が今のようになったのは、ぼくの見たところ「パルコ」ができた頃からでしょうね。変るのは時代の流れだから仕方ないですが、もう少し街並みとかを考えてほしいものだとおもいます。道玄坂の途中を左へ入る百軒店もすっかり昔と変っていて、何となくひっそりしていました(昼間だったからかもしれませんが)。百軒店で今でもあるのは名曲喫茶の「ライオン」、それにカレーの「ムルギー」くらいです。「ムルギー」といえば、一九六〇年代のこのあたりには、たくさんのジャズ喫茶がありました。「オスカー」、「DUST」、「SWING」、「BLACK HAWK」、「音楽館」と、まるでジャズ喫茶街でした。ぼくがよく行ったのは「オスカー」と「BLACK HAWK」でした。今は一軒もありません。百軒店には映画館もありました。「テアトル渋谷」、「テアトルハイツ」、「テアトルSS」などです。ぼくはこの三館のどれだか忘れたが、中平康監督の日活映画で「結婚相談」というのを見ています。主演は芦川いづみでした。清純派の芦川いづみの映画にしてはふしぎな内容でした。数年前、通っている歯科医の受け付けで芦川さんを紹介され、うっかり「結婚相談」という映画の話をしたところ、とても困った風な表情になり、「あの映画のことは忘れたい」とおっしゃられました。そういえば映画の人名事典で芦川いづみを調べても、この映画は載っていませんね。よほど嫌だったのだとおもいます。ごめんなさいね、芦川さん。嫌な映画のことを書いてしまいました。ぼくはずっとファンでした。
 渋谷の話が長くなってしまいました。今年もまた和田誠さん(週刊文春の表紙を描いているイラストレーターです)と青山のギャラリーで二人展を開きます。今年のタイトルは「AD-LIB」。一枚の紙に、相手の線絵を見て即興で絵を描くという方法です。二人展は今年でもう五回目になりました。毎年、和田大先輩の胸を借りる思いで描いています。(あんざい・みずまる、イラストレーター、東京都在住)
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 No.208 2008年 5月10日
  Event
■第1回マジソン・アベニュー・ギャラリー・ウォーク
10日 11:00-18:00 Madison Ave (bet E. 57th St & 86th St)
Tel: 212-861-2055 入場料: 無料 
世界有数のギャラリーが集まるマジソン街の美術散策イベント。美術教師による無料のガイドツアーも予定されている。詳細はwww.madisonavenuebid.org

■昼食講演会/カーライル・ジャパン:日本における買収機会について
13日 13:00 Japan Society(333 E. 47th St)Tel: 212-715-1258 入場料: $65(昼食付き)、$15(講演会のみ) カーライル・ジャパン社会長の伊佐山建志氏を迎え、堅調な日本経済とその高い競争力、そして海外の企業買収会社が今後日本で得られる好機について語る。司会はコロンビア大学日本経済経営研究所のアソシエイト・ディレクター、アリシア・オガワ氏。 詳細はwww.japansociety.org

■アッパーウェスト・フェスト
18日まで (West Side bet 60th St & 112th St)入場料: 無料(一部有料) アッパーウェスト・サイド圏内の文化や教育施設、教会や店舗とのコラボレーションによるコミュニティーイベント。音楽、ダンス、フィルム、文学、シアター、ファミリープログラムなど。詳細はwww.upperwestfest.com

■ア・ワイン・ツール・ド・フランス・シリーズ
6月16日までの月1回月曜 19:00 French Institute Alliance Francaise(22 E. 60th St)Tel: 212-355-6160 入場料: $115 (一般)、$95 (会員)  アライアンス・フランセーズ主催のワイン・テイスティング・シリーズ。フランスの主要ワイン産地の各銘柄をテイスティングし特質を学ぶ。19日プロバンス、6月16日シャンパーニュ地方。講師はチェルシーのレストラン「クックショップ」のワインディレクター、リチャード・ルフティッグ氏。詳細はwww.fiaf.org

MUSIC
■メトロポリタン・オペラ2007〜2008年シーズン
17日までの日曜を除く毎日公演、土曜はマチネを含む2公演。時間は曜日によって異なる Metropolitan Opera House(Lincoln Center)Tel: 212-362-6000 入場料: $15〜$375 最新のテクノロジーやマーケティングで新路線を目

■メトロポリタン美術館コンサート・シリーズ
23日まで 時間と入場料はアーティストによって異なる The Metropolitan Museum of Arts, The Grace Rainey Rogers Auditorium(1000 5th Ave)Tel: 212-570-3949 クラシック、ジャズ、ダンス音楽など多彩な内容。出演: 15日メトロポリタン美術館アーティストによるコンサート/23日スティーブ・ロス 詳細はwww.metmuseum.org

■宮田朋子ブラジリアン・ジャズ・ライブ
31日 19:00 Cachaca(35 W. 8th St)Tel: 212-388-9099 入場料: $15(カバーチャージ)ブラジル音楽、ジャズ、カントリーのテイストを織り交ぜたライブ。日本語の歌も有り。ヴォーカル: 宮田朋子、スペシャルゲスト: ホメロ・ルバンボ、ピアノ: ダリオ・エスケナージ、パーカッション: 武石聡 詳細はwww.tomokomiyata.com

■ラジオシティ・コンサート
24日まで 時間と入場料はアーティストによって異なる Radio City Music Hall(1260 6th Ave at 50th St)Tel: 212-307-7171 出演: 9日ザ・スウェル・シーズン(グレン・ハンサード、マルケータ・イルグローバ)/24日バカータ・シンフォニア 詳細はwww.radiocity.com

DANCE&THEATER
■中馬芳子とスクール・オブ・ハードノックス公演/「POOM_:失われた一頁、もうひとつのM」
15〜17日19:30 Japan Society(333 E. 47th St)Tel: 212-715-1258 入場料: $28(一般)、$25(会員)ダンス・インスタレーション『失われた一頁』シリーズの最新作。ダンス、ライブ音楽、映像、スピーチが10のシーンでぶつかり合う。ゲストにボーカルアーティストのおおたか静流、若手尺八トリオの「般若帝国」を迎え、またマニプールからはビデオ・アーティストのデイブ・ソーダム、文筆家ソミ・ロイを迎える。詳細はwww.japansociety.org

■ニューヨーク・シティバレエ・スプリング2008シーズン
6月29日まで 曜日によって時間と入場料が異なる New York State Theater(20 Lincoln Center) Tel: 212-870-5570 入場料: $20〜$86 
ジェローム・ロビンスの生誕90年を祝い「ジェローム・ロビンス・セレブレーション」と題して、彼の代表的な33作品を集める。詳細はwww.nycballet.com

ART
■グスターブ・クールベ展
18日まで The Metropolitan Museum of Art(1000 5th Ave)Tel: 212-535-7710 入場料(任意): $20 (一般)、$15 (シニア・学生)、12歳未満無料 フランス写実主義絵画の第一人者とされるクールベの回顧展。故郷のオルナンの風景画や家族や友人たちの肖像画のほか代表的な裸婦像など国内外からの130点を展示する。詳細はwww.metmuseum.org

■ホイットニー・ビエンナーレ2008展
6月1日まで Whitney Museum(945 Madison at 75th St)Tel: 800-944-8639 入場料: $15 (一般)、$10 (シニア・学生)、 12歳未満無料 アメリカにおける現代アートの登竜門と評される隔年企画イベント。74回目の今年は81人のアーティストが参加し、インスタレーション、フィルム、 絵画など多岐にわたる媒体と手法が披露される。詳細はwww.whitney.org
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 No.208 2008年 5月10日
Iron Man
  シネマ試写室
内なる敵に挑戦

 マーベルコッミクのスーパーヒーロー、アイアンマンを映画化。メタルのロボットスーツに身を包み、悪漢どもをやっつける定番なれど物語もしっかりまとまりスピード感溢れる特撮とともに痛快度満点の第一級娯楽大作。 
 コミックとしては1963年にデビューし、ベトナム戦争を背景に当時の敵はコミュニストでもっぱらベトコンだったが、時代とともにテクノロジーも敵もアップされ映画版は超ハイテクを駆使した装甲スーツ、敵はタリバン、テロリスト想定という内容。
 軍需の大手企業スターク・インダストリーズのトップ、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・ジュニア)は富豪の天才発明家。米空軍への最新兵器のデモストレーションのためアフガニスタンに飛ぶが現地で武装勢力に襲撃され囚われの身となる。テロリストは初めからスターク捕獲を狙ったもので大量破壊の新兵器開発を迫る。しかし、スタークは兵器開発を装い、代わりにジェット噴射で飛べるロボットスーツを作り、まんまとアジトからの脱出に成功。
 アフガンから戻ったスタークには二つの仕事があった。一つはスターク・インダストリーズの兵器が武装勢力にもわたり罪もない地元住民も攻撃の的になっている現状を黙って見ているわけにはいかなかった。もう一つはもちろん飛べる装甲スーツの完成だ。スタークの実験、開発が進む一方で、スタークが予想だにしなかった世界的陰謀の影が忍び寄ってくる。
 薬物使用で何度かつまづいたロバート・ダウニー・ジュニアだが元々演技力には定評ありで富豪、天才、プレイボーイに正義がミックスされたスーパーヒーローがなかなか似合っている。ジェフ・ブリッジス、テレンス・ハワード、グウィネス・パルトロウらも適役。監督は「Daredevil 」のジョン・ファブロー。2時間6分。PG13。(明)Photo Paramount Pictures
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 No.208 2008年 5月10日
仮屋美紀NY展
  Art
ソーホーで23日まで

 色彩と構図のアーティスト仮屋美紀が、ニューヨークで初の個展を開催する。表面を何度も削ってつくられた板に油彩で描かれた作品は、古い麻か木綿のような絵肌を感じさせる。子供の頃、よく母親に連れて行ってもらった骨董市での経験から、ピカピカの新しいものよりも年月を経て古くなった質感を好むようになっていったという。また、神社やお寺の壁や天井に残る古びた絵からの影響も大きい。タイムイメージポストカード大賞で佳作、イルフ童画館童画大賞で入選するなど受賞歴も多い。本展では、仮屋の素朴で素直な感性を堪能できる55点を展覧。会場はソーホーのエナゴン・ギャラリー(グリーン通り50番地5階/ブルーム通りとグランド通りの間、電話212・343・0055。Ennagon Gallery)。5月6日(金)から23日(金)まで。オープニングレセプションは5月16日(金)午後6時から。展覧会の詳細は、www.ennagon.com (美術エッセイスト 後藤トキ子)MIKI Kariya "Sakura2" 2008, Oil on wooden panel

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 No.208 2008年 5月10日
「耳なし芳一」を上演
  Entertainment
 舞踊家伊藤さちよによる「さろんシリーズ」10周年記念公演「Sound of Emptiness」が天理カルチュラル・インスティトュート(西13丁目43A番地)で5月24日(土)午後8時、25日(日)午後3時及び8時上演される。
 同作品は、ラフカディオハーン作「怪談」の中の小作品「耳なし芳一」をもとに創作。前売り券20ドル、当日券25ドル。電話212・868・4444(SmartTix)。詳細はウェブサイト参照www.dancejapan.com
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